− 拝啓、兄さんへ −
<フォルカver.> <フェルナンドver.>
-最愛の兄に贈る花-


<フォルカver.>


大戦が終わって…あれから今は新たな修羅界をまとめるために大忙しです。
フェルナンドもメイシスも俺のことを支えてくれます。
アリオンは…くす、相変わらず気まぐれだけれど、何かと俺の世話をやいてくれます。
一から創り上げることは大変だけれど、戦いのために死んでいった者達のために、
俺に未来を託した貴方のため…。俺はこの世界を、貴方の夢見た未来を紡いでいきます。

…今夜は星がとても綺麗です。
あの大戦でいくつの星が墜ちていったのだろうか…彼らに安らかな眠りを…。


散っていった者達の命がこの世界の礎となって……この新しい世界…見せたかったよ兄さん。誰よりも貴方に見ていてほしかった
のに…。
幽霊でもいいからもう一度会いたい…。ああ、駄目だな、こんなこと考えるなんて。

…俺は大丈夫です、きっと兄さんが夢見た未来を創ってみせます。



戦いで荒れ果てた大地にも、美しい花が平和な時の訪れを知らせるように風にそよいでいます。


「兄さん…」


空の彼方…
貴方の側に花は咲いていますか?












 <フェルナンドver.>


大戦は終わった…尊い犠牲を払って。



修羅界は次なる時代を迎えました。
フォルカは新たな修羅王となり、民を導いています。そして俺は将軍としてフォルカの横に並んでいる…
もう一度こんな関係に戻れるとは思わなかった、それも最も理想とする形で。兄さん、貴方のおかげです。


俺は、最後まで貴方に教えられました。
貴方が命を散らすまで、大切なことにかけらも気付かなかった俺はなんと愚かなのでしょうか。


あの時、俺がミザルなどに騙されなければ…!
…いや、俺の心の弱さがいかんのだ…。フォルカが俺を生かした真意、それに気付いてさえいれば…。
…どれも、今考えても仕様のないことだ。
大事なことに気付かせてくれたのは、最も尊い犠牲…兄さん、貴方の命。



今、修羅界は生まれ変わろうとしている…慌ただしくも平和な毎日、これが貴方の望んだ未来なのですね?
ならば俺は、全力でフォルカを支えましょう。新しい世界のために。
それが…俺の出来る貴方への精一杯の弔いです。


…新しい世界にも、兄さんの好きな花が咲いています…


「兄さん…」



遥か遠く…
貴方の側にも花は咲いていますか?





<フォルカver.> <フェルナンドver.>
-最愛の兄に贈る花-


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