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-続・ 転空魔城の怪談 -
「最近…出るらしい。」
フォルカが修羅王の座についてしばらく。
いつのまにか転空魔城内で不穏な噂がたちはじめていた。
早速噂を仕入れたアリオンはフォルカとフェルナンドに話す。
「最近、修羅将軍の霊が転空魔城にとり憑いてさ迷ってるってもっぱらの噂だぜ…」
「…また貴様が何か仕掛けたんじゃないだろうな?」
フェルナンドがいぶかしげにアリオンを見る。
以前にアリオンにこの手の話を使って悪戯されたのを覚えているから警戒しているのだ。
「今回は俺じゃねぇよ!最近になって急にそういう噂を聞くようになったんだ、見たって奴も何人かいたぜ?」
だが前のような面白半分ではなく、必死で話すアリオン。
「見た?何を見たんだ?」
フォルカの問いに答えて。
「なんでも…廊下を火の玉が漂ってただとか、操者がいないはずなのに修羅神の格納庫から駆動音がするとか…。」
「そ…そんなにあちこちに出るのか!?」
怖い話が苦手なフェルナンドは警戒しながらも反応してしまい顔が青ざめる。
アリオンもさぁっと血の気の引いた顔でこう付け加える。
「ああ、それに…俺もこのまえな…。王の間に人影が見えたのに、入ってみたら誰もいなかったんだよな…」
「!?
…まさか…。」
それを聞いてフォルカがぴくんと反応する。だが、怖がるというよりも、いつもの何か思案にふける顔をして…。
「ふぉ、フォルカ!何も怖がることねぇぞ。どうせこいつが言ってることはでたらめだ。」
フェルナンドが、自分の怖さを紛らわしたい気持ちもあって口を挟む。
「今度ばっかりはでたらめなんかじゃないんだって!本当に出るんだよ!」
アリオンはアリオンで深刻な様子で幽霊がいることを主張する。
「まぁ、今ここで何を言ってもしょうがない。きちんと確かめてから判断しよう。」
フォルカが至極真面目に、冷静に言う。フェルナンドとアリオンがはっとフォルカの顔を見る。
「た、確かめるだと?」
ひくひく顔を引き攣らせてフェルナンドが聞き返す。
「そうだ、三人で夜に城の怪しいところを巡回しよう。」
『三人?!』
アリオンとフェルナンドの声がハモる。
「どうした?あ…何か都合が悪かったか?」
二人の反応を見て、純粋な気持ちから気を使うフォルカ。しかし怖いから行きたくないなど言えないし思われたくないフェルナンドは
強がる。
「い、いや、何も問題ないぞ。」
「そんなこと言って…怖いんじゃないの?」
内心怖がりながらも早速茶化すアリオン。
「…貴様こそ震えてるんじゃないのか?」
「お前には言われたくないね。」
「なんだと!?」
「やめないか、二人とも!」
つまらないことで喧嘩になりそうな二人をフォルカが一喝する。
二人とも幽霊の噂に落ち着かないだけなのだ、一喝されて大人しくなる。
「…とにかく、夜になったら幽霊が出るという場所を順番に回るぞ。」
二人ともフォルカの言葉に頷くしかなかった。
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-続・ 転空魔城の怪談 2-
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